「地質調査」とひと言で言っても、現場ごとに状況は異なり、そこに求められる技術、調査機器も変化します。
ボーリング調査、原位置試験、物理探査、室内試験などを効率的に組み合わせることで地盤データを取得。
そのデータの整理・分析によって地盤を高精度に解釈・評価します。
高品質コア
“乱れの少ないコア”を採取し精度の高い地盤解析・評価へ
砂層や砂礫層などの未固結堆積物や、亀裂の密集部・破砕部・粘土化部などの岩盤の脆弱部を対象として、乱れの少ないコアを採取します。そのコアを地質技術者が観察することで、高精度に地盤を解釈・評価します。
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粘性土、砂質土、礫質土などの未固結堆積物も地山の状態を保ちながら採取
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採取したコアは、表面に付着する削りカスを丁寧に洗浄・除去
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地中ガス調査
圧力保持式地下水採取法や飽和度解析でガス危険度を評価
シールド工事などによる可燃性ガスの爆発事故・酸欠事故を防止するため、地中ガス調査の計画立案、現地調査、室内分析、データ解析・評価を行います。地中ガスの調査方法は基準化されていませんが、関東ガス田をはじめとする豊富な実績から「圧力保持式地下水採取法」や「飽和度解析」などにより危険度を評価し、対策検討に役立てます。
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地中での圧力を維持したままアクリル製の容器の中に地下水を採取して溶存ガス成分を分析
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地下水に溶けにくいヘリウムガスを利用して、地中に賦存する地下水からのガスの分離を防ぎながら容器内に地下水を採取
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ボーリング孔口に防災バルブ(左側)を設置して、突然の地中ガス噴出に備えるとともに、圧力とガス濃度を計測する機能を保有
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ボーリング孔内から小孔径(直径66mmに対応)の水中ポンプ(右側)で揚水し、貯水槽内で分離される地中ガスを捕獲し、現地で地中ガス濃度を計測
室内試験
土質試験や材料・岩石試験などを実施、基準・規格外の試験ができる機器も導入
自社で保有する室内試験室では、みなさまのご要望に応じて基準・規格外の試験まで幅広く取り組んでいます。最近は、地震による被害予測のため需要が増加している土の動的特性試験(液状化強度、変形特性)のため、4連タイプの繰返し三軸試験機を増設しました。また、不飽和土特性に対応した「不飽和三軸試験」、「水分特性試験(加圧法、吸引法)」なども実施します。さらに、基準・規格外の室内試験の対応を目的に「ひずみ経路制御型三軸試験機」を導入し、技術開発を行っています。
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基準に沿った室内試験をはじめ、みなさまのご要望に応じた室内試験を実施、試料の採取から試料の廃棄処分まで対応。
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物理試験(土粒子の密度試験・土の含水比試験・土の粒度試験)の試験用具一式
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土の液性限界・塑性限界試験:
液性限界測定器(右端)と塑性限界試験用具
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土の圧密試験:
自動圧密試験機、分銅タイプの圧密試験機もあります!
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土の三軸圧縮試験(UU、CU、CU-、CD):
4連タイプ全自動三軸試験機
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液状化試験、変形特性試験:
4連タイプ振動三軸試験機
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中空供試体による変形特性試験、液状化試験:
中空ねじり試験機
ボアホールを利用した計測・探査
ボアホールからの地盤情報を活かす、目的に応じた最適手法を選択・提案
ボアホールから得られる地盤情報には、様々なものがあります。たとえば、周辺地盤の密度・速度などの物理特性、ボアホール周辺にある地中埋設物の位置・深さ、孔壁の画像取得による地質構造、室内試験に用いる乱れの少ない試料の採取などです。当社では、目的に応じた最適な手法を選択・提案します。
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孔内載荷試験:
ボアホールジャッキ試験に用いるKKT試験機(KKT:Kawasaki K-value Tester)
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KKT試験機のゾンデ(ステンレス製)、直径66~86mmのボーリング孔で土質・岩盤に対応するゾンデを保有
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サンプリング-01:
固定ピストン式シンウォールサンプラー(水圧式)とサンプリングチューブ/主にN値=3~4程度以下の粘性土地盤に適用
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サンプリング-01:
固定ピストン式シンウォールサンプラー(水圧式)とサンプリングチューブ/主にN値=3~4程度以下の粘性土地盤に適用
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サンプリング-02:
ロータリー式二重管サンプラー/主にN値=4~8程度の粘性土地盤に適用
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サンプリング-02:
ロータリー式二重管サンプラー/主にN値=4~8程度の粘性土地盤に適用
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サンプリング-03:
サンプリング-03:ロータリー式三重管サンプラー/主にN値=4程度以上の粘性土地盤とN値=10程度以上の砂質土地盤に適用
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サンプリング-03:
サンプリング-03:ロータリー式三重管サンプラー/主にN値=4程度以上の粘性土地盤とN値=10程度以上の砂質土地盤に適用
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孔内ベクトル磁力計(BVM:Borehole Vector Magnetometer):
3成分センサを内蔵した磁力計により鋼製の埋設物・杭の位置・深さを検出する鉛直磁気探査法、通常3本のボーリング孔が必要となるが、本探査法では1本のボーリング孔で探査が可能
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孔内ベクトル磁力計(BVM:Borehole Vector Magnetometer):
3成分センサを内蔵した磁力計により鋼製の埋設物・杭の位置・深さを検出する鉛直磁気探査法、通常3本のボーリング孔が必要となるが、本探査法では1本のボーリング孔で探査が可能
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三成分速度検層:
コンクリート製や木製など、地盤との性質の違いが少ない材料による杭などの探査に適用
先輩から後輩へ、特別な職人技術を継承
室内試験では、現場から採取してきた試料を取扱う際には特別な職人技術が必要とされます。それは、経験に基づいたノウハウ。そのため、先輩から後輩への技術継承が、とても重要になります。この技術は、口頭やマニュアルだけでは伝わりにくいため、実作業での指導・育成、さらに先輩の後ろ姿が技術継承にとって大切であると考えています。
経験に基づく感覚を実践指導▶