地震・火山・洪水・土砂災害などの自然災害に対するエキスパートです。
平常時においては、防災・減災を目的とした現地調査からデータ整理、解釈・評価、
さらに対策工の検討と設計にまで対応。緊急時には、二次災害防止のため緊急対応や復興事業に取り組みます。
モニタリングシステム
地盤の挙動を監視、被害・災害防止のためのシステムを構築
斜面災害
斜面災害の発生状況を把握し、危険度に応じた観測システムと避難警戒システムを構築します。
これらシステムによって、現場の観測データはインターネット上で常時閲覧可能となり、緊急時には携帯メールを活用して、地域住民に避難警戒情報を即時に発信することができます。
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現地観測データを見える化しスマートフォンやパソコンなどで常時閲覧可能、また携帯メールを活用した避難警戒情報の送信により安全確保に貢献
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IT傾斜計を用いた観測システム概要:
斜面災害の状況に合わせた計測機器の配置と計測データの監視と評価による対策の提案
地盤変動
陥没などの地盤変動に対して、その挙動を予測するための地震動観測を行います。観測計画から地震計などの機器設置、観測データの転送、データ処理・解析、さらに避難警戒情報の発信までを一貫して対応できるシステムを構築します。
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地震計で地盤変動に伴う振動を観測するとともに、地盤データ(地層構成、地盤の強度、地下水位の分布状況など)を踏まえて、地盤変動を総合的に解析・予測します。また、現地の観測データを一括管理する監視システムを設置して、常時観測体制から観測データの情報発信まで構築します。
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地震計が捕捉した振動波形データを監視システムに送信するシステム
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地下空洞の不安定化に伴う振動波形と岩盤の挙動の事例
A:岩盤亀裂の発生・伸長による振動
B:天盤からの岩片剥離と、落下岩片が床面に衝突した際に生じた振動
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地下空洞の不安定化に伴う振動波形と岩盤の挙動の事例
C:複数の岩片が段発的かつ分散的に落下した際に生じた振動
D:岩盤の崩落剥離の規模が大きく、岩片が広範囲で崩落して生じた振動
他:陥没地や立坑における埋め戻し土砂の移動(ずれ込み)や立坑の崩壊による振動
災害対応
全社連携により地域を超えた対応へ、最新機器を活用した復旧への取り組み
自然災害による被害からの迅速な復旧には、現地の状況を一刻も早く正確に把握することが必要です。そこで専門家による現地調査を行い、人が立ち入れない場所や広範な状況を把握したい場合は、航空機によるレーザ測量や無人航空機による撮影・計測を行います。スピーディな全体状況の把握と対策を検討します。
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この写真は小型無人機ドローンによる撮影事例です。人が近づくことが困難な斜面、土砂崩れおよび土石流などの災害現場で撮影・計測を行い、被害状況を迅速に確認し、二次被害の防止と対策に活用しています。
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広範囲の地形データを短時間かつ高精度(500分の1スケール)に取得する航空測量SAKURA。その3次元地形データの実体視による地形判読や対策工の検討に役立てます。
※SAKURAは中日本航空㈱との提携により提供するサービスです。
物理探査技術の適用
点と点を結ぶ探査技術を駆使、地盤状況を効率的に把握
斜面での面的な調査や河川での線形的な調査などを、それぞれ適切に行う手法として物理探査技術を適用しています。ボーリング調査などと組み合わせることで、地盤の持つ性質を効率的かつ効果的に把握します。
電磁探査
地盤を構成する材料の種類により、電磁波に対する反応は異なります。この性質を利用して得られる地下の導電率構造を解釈・評価し、地質構造や地下水の分布状況を推定できます。
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浅層探査用電磁探査:
深さ5m程度までの探査に適用、この手法はループ一体型のループ・ループ法(スリングラム法)で両端に送信・受信のループ・コイルが入っている。
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深層探査用電磁探査:
深さ20m程度までの探査に適用、こちらはループ分離型のループ・ループ法(スリングラム法)で、ループの配置によって、水平ループ・垂直ループ配置などあるが、水平ループの場合、ループ間隔の半分の深さに対して感度は高くなる。
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2つのボーリング孔間で電磁探査を行った事例:
左側のボーリング調査では粘性土の分布が見られたが、一方の右側のボーリング調査では砂層の分布のみで粘性土は認められなかったため、ボーリング孔間の地層分布の変化を捉えるために電磁探査を行い、導電率構造から地層の分布を解釈します。
反射法地震探査のためのスイープ震源
堆積層を対象とする判別能力および探査精度の向上を目的として「スイープ震源(電磁式)」を開発しました。スイープ震源の探査深度は1kmで、活断層調査や土木構造物を対象とした地質調査や表層地盤の速度層構造の取得に効果を発揮します。また、自走式クローラにスイープ震源を搭載しているため、これまで調査困難だった場所でも探査できます。
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スイープ震源車を用いた反射法地震探査の測定風景、舗装を傷めないで測定します。
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スイープ震源は自走式クローラ車に搭載しているため、道路や自然地盤での測定や傾斜地での測定にも対応
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スイープ震源を用いた反射法地震探査による結果事例:
この断面図から、地層の分布状況や褶曲・断層といった地質構造まで解釈します。
災害現場では、安全かつスピーディーに、チームプレー
災害発生時、現場では、専門技術者がチームとなって二次災害の防止・応急復旧に迅速に対応し、後方支援チームは、現場状況の把握に努めながら、人・機器・情報などを適切に投入します。そして応急対策後は、保有技術を生かして早期の災害復旧に努めています。
迅速な災害時緊急対応▶